基本ルール解説
大富豪・大貧民とは
戦略性 | 運要素 | 難易度 |
---|---|---|
重要 | 大きい | 普通 |
大富豪(だいふごう)は、複数人で遊ぶトランプゲームの1つです。カードを全てのプレイヤーに均等に配り、手持ちのカードを順番に場に出して早く手札を無くすことを競うゲームです。大貧民とも呼ばれます。
一般的に4〜6人程度でプレイするのに適していますが、7人以上や2人でもルール次第ではプレイ可能です。
前回順位が次ゲーム開始時の有利不利に影響する(一度負けると簡単に地位を覆せない)点が特徴で、勝者をより有利にするゲーム性から「大富豪」という俗称が付きました。
海外の類似したゲームとして「争上游」「闘地主」「鋤大D」「ティエン・レン」「大統領」「グレートダルムチ」「ティチュ」「アーシュロッホ」などが存在します。
必要なカード枚数とプレイ人数
必要なカード枚数 | 53枚(ジョーカー1枚) |
プレイ人数 | 4〜6人 |
プレイ時間 | 15分 |
おすすめの年齢 | 7歳〜 |
基本的な流れと勝利条件
- トランプをシャッフルし、プレイヤーに均等に配ります。
- 各プレイヤーは、手持ちのカードを順番に場に出していきます。
- 場に出されたカードより強い数字、またはジョーカーを出すことができます。
- カードを出すことができない場合はパスします。
- 手札を全て無くしたプレイヤーの勝利です。
カードの強さと順序
大富豪では、カードに強さがあります。
弱い順に3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、A、2とされ、ジョーカーは革命の影響を受けず、常にどのカードよりも強いカードとして扱います。
正式ルール
2011年12月より「日本大富豪連盟」という社団法人が、地域間のルールのばらつきを解消するために定めた「五大公式ルール」を、当サイトでは正式ルールとして扱うこととします。
- 革命
- 8切り
- 都落ち
- スート縛り
- スペ3返し
革命
同じカード4枚以上(ジョーカーを含めてもよい)を出すと、ゲーム終了までジョーカー以外のカードの強さが逆転します。
その後再び革命が起きれば、カードの強さは元に戻ります。
5枚革命の場合、同じターン中の革命返しは5枚でないと出せません。
8切り(やぎり、はちぎり)
8を場に出した場合、強制的にそのターンを終了し、次に自分からカードを出すことができます。
8を複数枚出したり、ジョーカーと一緒に出すことも可能。
ただし、8を含む階段を場に出した時には、8切りは適用されません。
都落ち
大富豪より先に勝利したプレイヤーが出た場合、大富豪であったプレイヤーは自動的に最下位(大貧民)となり、手持ちのカードを放棄します。
スート(マーク)縛り
2回続けて同じスート(マーク♣️♠️❤︎♦)が場に出された場合、そのターン終了時まで、同じスートのカードしか出せなくなります。
ジョーカーを含む手で縛りは発生しませんが、縛り発生後にジョーカーを含んだ手を出しても、縛りは継続します。
スペ3返し
ジョーカー1枚に対してのみ、スペード♠️の3を出すことができ、そのターンを終了して、好きなカードから始めることができます。
スート縛りが発生していても、スペード♠️の3を出すことができます。
ジョーカーを出したプレイヤーが最後の1枚だった場合、反則あがりとなります。
反則あがり
以下パターンであがると、反則となり、自動的に最下位になります。出されたカードは流れません。
- 最後に出したカードにジョーカーを含んでいる
- 最後に出したカードに8を含んでいる(階段の場合はセーフ)
- 最後に出したカードがスペード♠️の3の1枚のみ
- 革命が起きていない時に、最後に出したカードに2を含んでいる
- 革命が起きている時に、最後に出したカードに3を含んでいる
ローカルルール一覧
地方によって異なるルールが非常に多く存在しています。
ここではなるべく多くのローカルルールを網羅することを心がけています。
ルール名称(50音順) | 解説 |
---|---|
アーサー | Kを3枚出した時、ゲーム終了時までジョーカーの数字としての強さを、10とJの間であるものに変更する。 |
赤い5 | シングルの5♥か5♦を出した時、対戦相手を1人指名する。そのプレイヤーと使用者が持つ手札を混ぜてシャッフルし、同じ枚数に配り直す。 |
威厳 | J、Q、Kの階段を出した時、場が流れる。 |
11バック | Jを場に出すと、場札が流されるまでカードの強さが一時的に革命が起きた時と同じ状態になる。 革命状態の時は一時的に革命が起きていない(2が最も強く、3が最も弱い)状態になる。 場が流れると元に戻る。 (別名:イレブンバック、Jバック、バックジャック、Jリターン、Jターン、小革命、一時革命、イレブンジャック、ジャックダウン、ジャックリバース、ジャックリ) |
色縛り | 黒縛りの場合、(通常のトランプで)マークが黒のカード(スペードとクラブ)しか出せなくなる。 赤縛りは赤のカード(ハートとダイヤ)しか出せなくなる。 |
A税収 | 自分が子でAを出した時、その直前に出たカードを自分の手札に加える。 |
エンペラー | 連続した4つの数字で、かつマークが全て異なる組み合わせのカードをまとめて出せる。 |
オーメン | 6を3枚出すと革命を起こした上に、ゲーム終了時まで革命が起きなくなる。 さらに8切りやその他の特殊効果や縛りがゲーム終了時まで無効になる。 |
王の特権 | Kを3枚出すことで左右どちらかと手札を全て交換する。 |
階段(シークエンス・連番) | 同じマークで数字が3枚以上続いているカードをまとめて出すことができる。 |
核爆弾 | そのゲームにおいて初めて6枚以上のカードで革命を起こすと、ゲーム終了時まで革命が起きなくなる |
片縛り(かたしば) | 同じ数字が複数枚出された際、1枚でも同じマークのカードを出すと、それ以降に出すカードもそのマークを含んでいなければ出せない。 |
9賭け | 9を出したプレイヤーは他のプレイヤーを指名し、指名されたプレイヤーは9を出したプレイヤーの手札を見ないで一枚選び捨てる。 その後、場を流す。 |
救急車(99車) | 2枚出しの時9を2枚出せば、場札を流すことができる。 |
9戻し | 9を出した時、その枚数に等しい枚数のカードを自分の手札から選び、直前のプレイヤーの手札に加える。 |
銀河鉄道 | 9を3枚出した時、手札から任意のカードを2枚選ぶ。選んだら捨て山から無作為に2枚引いて手札に加える。そうした後で先程この方法で選んだカードを表向きにして脇に置く。 脇に置いたカードはゲームに影響を及ぼす効果を持たず、場が流れたらそれらを捨て山へ移す。 |
K飛び | Kを出した時、次のプレイヤーの手番を飛ばす。 |
クーデター | 9を3枚出すことで革命を起こせる。 この場合さらに6を3枚で革命を返すことができる。 |
Q切り | Qを出すと場が流れる。 2人用に6~10とジョーカー1枚を削減した33枚のデッキで用いる。 |
Q解き | 縛りが生じている時にQを出すと、縛りの効果が無くなる。 |
Qボンバー | Qを出した者はその枚数の分だけ任意の数字をコールし、各プレイヤーは指定された数字のカードを手札から捨てる。 |
Qラブ | Qを階段以外の組み合わせで出した時、それに等しい枚数のカードを捨て山から見て選んで手札に加える。 |
Qリバース | Qを出した時、席順が反対回りになる。 |
黒7 | 7♠か7♣を含んだ手を出した時、捨て山から出した枚数分、無作為にカードを引いて手札に加える。 何のカードを拾ったかは公開される。 |
激縛り | マーク縛りと数字縛りが同時に起こったもの。 (げきしば、激し、激しば、完縛り、完縛) |
5色縛り | シングルの5を出した時、その5が持つ色での縛りが生じる。 このルールは他の縛り系列のルールと併用できない。 |
5切り | 革命中に5を出した時、8切りと同じく場を流す効果を持つ。 |
5飛び(5スキップ、5飛ばし) | 5を出すと次のプレイヤーの順番を飛ばすことができる。 UNOのスキップに類似。 |
サタン | 6を3枚出した時、捨て山から任意のカードを1枚選んで手札に加える。 |
サルベージ | 3を出して場が流れた時、捨て山から任意のカードを1枚選んで自分の手札に加える。 |
シーフ | 4を3枚出した時、左右何れかのプレイヤーを指名する。 ・指名したプレイヤーが大貧民であれば、指名されたプレイヤーは最強のカード(ジョーカーも含む)を2枚渡す。 ・指名したプレイヤーが貧民~富豪であれば、指名されたプレイヤーは最強のカード(ジョーカーも含む)を1枚渡す。 大富豪はこの効果を使えない。 |
次期エース | Aを出した後に場が流れた時、場を流したプレイヤーの代わりに、そのAを出していたプレイヤーが親になる。 |
ジャンヌダルク① | Qを3枚出した時、次の番のプレイヤーは手札から最強のカードを2枚捨てる。 |
ジャンヌダルク② | Qをシングルを除く手で出した時、ブラッディメアリのパターン②の状態を解消する。 |
宗教革命 | Kを4枚出すと以降ジョーカーを除くカードの強さがQが最強となり、Aが最弱となる。 さらに親が偶数を出したら子は偶数を、親が奇数であれば子も奇数しか出せなくなる。 |
10返し | 8のみで構成されたカードで8切りが起きた時にそれと同じマークの10を出すと、8切りの効果をキャンセルして場を流す。 |
10捨て | 10を出した枚数まで手札から任意のカードを捨て山に捨てることができる。 |
10飛び | 10を出した時、次のプレイヤーの手番を飛ばす。 |
ジョーカー返し | ジョーカーを出した後に更に相手がジョーカーを出すことができる。 |
ジョーカー革命 | ジョーカーを2枚出すと革命が起きる。 |
女装 | Qを出したら、その枚数に等しい枚数のKを手札から選んで脇に置く。 場が流れたら捨て山へ移す。 |
数字縛り | 連続する数字が場に出された場合、連続する数字のカードしか出せなくなる。 (数縛り、数しば、階段縛り、階段) |
砂嵐(33返し) | 3を3枚同時に出すことに以下のうち何れかの効果が付与される。 ・親子問わず手番さえ与えられていれば、いつでも場札を流すことができる。 ・子が同じ数字の3枚組に対してのみ出せて、そうしたなら場を流せる。 ・子が単独のジョーカーに対してのみ出せて、そうしたなら場を流せる。 |
スペード返し | 一部の特殊効果を、一枚の時のみ同じ数字のスペードで返すことができる。 8切り等の場を流す効果に対してはスペードを出せない。 |
スペ2返し | 革命状態かつ、ジョーカーが1枚で場に出ている時、2♠を出せば流すことができる。 |
絶対革命 | 同じ数字×5枚で革命が起きる。 その数字が最強になる。 |
ゾンビ | 3を3枚出した時、捨て山から任意のカードを1枚選んで、次の番のプレイヤーにそれを渡す。 |
大革命 | 親の時に2を4枚出すと、革命を起こしつつすぐに上がれる。 |
ダウンナンバー(下げ) | 場に出ているカードと同じマークで1つ弱いカードを出すことができる。 縛りが同時に起こる場合、「逆縛り」と呼ばれる。 |
ダミアン | 6を3枚出した時、場が流れる迄の間にパスしたプレイヤーはゲームに敗北する。 |
超革命 | そのゲームにおいて初めて5枚以上のカードで革命を起こすと、ゲーム終了時まで革命が起きなくなる。 |
DEATH | 4を3枚出した時、その持ち主を除く全てのプレイヤーは手札から最強のカードを1枚捨てる。 |
等差数列(跳びストレート) | 同じマークで数字が3枚以上かつ、公差があればそれらのカードをまとめて出せる。 例:3♦ 5♦ 7♦(公差2)、5♠ 8♠ J♠ A♠(公差3 |
トンネル | 同じマークの3と2を繋げて階段ができる。 |
9シャッフル | 9を2枚出した時、対戦相手の席順を自由に変更してもよい。 |
9リバース | 9を出すと枚数、マークに関係なくターンの順番が逆になる。 UNOのリバースに類似。 |
7カウンター | 切りが起きた時に7♦を出すと、8切りの効果をキャンセルして場を流さない。 |
7切り | 革命中に7を出した時、8切りと同じく場を流す効果を持つ。 |
ナナサン革命 | 7を3枚出すと革命が起きる。 |
7付け | 7を出した時、出した枚数に等しい枚数のカードを手札から選んで場に出す。 |
7渡し | 7を出した枚数まで次のプレイヤーに手札から任意のカードを渡すことができる。 |
2バック | 2を出した時、場が流れるまで数字の強さが逆になる。 |
ブラックセブン | 革命中の7♠と7♣は3よりも強いが、ジョーカーよりは弱い。 レッドセブンと併用不可。オーメンで失効しない。 |
ブラッディメアリ① | Qを3枚出した時、それの持ち主を除くプレイヤーは手札から最強のカードを2枚捨てる。 |
ブラッディメアリ② | Qをシングルを除く手で出した時、各対戦相手は手札からジョーカーを全て捨て、ゲーム終了時までジャンヌダルクを除いた一部のローカルルールを発生させない。 8を出しても8切りは起きない。 |
マーク縛り | 同じマークのカードを連続で出すと場が流されるまでそのマークしか出せなくなる。 |
闇市 | Aを3枚出した時、プレイヤーを1人指定する。自分は任意のカードを2枚選び、指定されたプレイヤーは最強のカードを2枚抜き取って、それらを交換する。 |
融合革命 | 最新の場札と手札にあるカードを組み合わせて革命の条件を満たす場合、革命が発生する。 |
4切り | 4を含むカードを出した時、場が流れる。 |
4止め | 4を2枚出すことで8切り1枚に対して阻止することができる。 |
ラッキーセブン | 7を3枚出した時、ゲームに勝利する。 |
レッドセブン | 通常時の7♥と7♦は2よりも強いが、ジョーカーよりは弱い。 ブラックセブンと併用不可。オーメンで失効しない。 |
6切り | 革命中に6を出した時、8切りと同じく場を流す効果を持つ。 |
ろくろ首 | 2枚出しの時6を2枚出せば、場札を流すことができる。 |
6戻し | 11バック発生中に6を出した時、11バックが解消される。 |
ゲームの進行
以下、一般的な大富豪のゲームの流れです。
親を決めて、親は53枚すべてのカードを均等に各プレイヤーに配り、各プレイヤーはそれを手札とします。
最初にカードを出す人を決めます。
ダイヤ♦の3など、特定のカードを持っている人から始めることもあります。
最初にカードを出す人は、同じ数字のカード1~4枚(ジョーカーを含めると5枚以上となることもあります)一組を、手札から場に出します。
次の人は、同じ枚数でより強い同じ数字のカードの組を出します。
ジョーカーはどのカードの代わりとしても使えます。
出せるカードがないときや、戦略上の理由がありカードを出したくない場合は「パス」を宣言します。
パスの回数に制限はありません。
カードを出した人以外全員がパスをしたとき、場にあるカードが流れます。
そしてその人は、ステップ3と同じように好きなカードを場に出します。
以上を繰り返して、最初に手札がなくなったプレイヤーが勝利して「大富豪」となります。
以降あがった順に「富豪」「平民」「貧民」「大貧民」と階級がつきます。
人数によっては、平民の数を増減します。
2回目以降ゲームを行うときは、全てカードを配り、ゲームを始める前に、手札のカードを交換します。
大貧民は手札の中で最も強いカード2枚を大富豪に渡し、大富豪は任意のカード2枚を大貧民に渡します。
貧民は手札の中で最も強いカード1枚を富豪に渡し、富豪は任意のカード1枚を貧民に渡します。
受け取ったカードを見てから、渡すカードを選ぶことはできません。
コツとテクニック
手札の状況を把握する
まずは、手札の数字とマークを把握し、場に出せるカードを把握しておきましょう。また、相手の手札を予想することも重要です。
相手の手札を予想する
相手の手札を予想することで、有利に立ち回ることができます。例えば、相手の手札に2が多いと予想できる場合は、2を出すタイミングを調整しましょう。
リスクをとる
有利に立ち回るためには、時にはリスクをとることも必要です。例えば、場に出せるカードが少ない状況で、強めのカードを出すことにより、相手の手番を遅らせることができます。
相手の心理を読んでプレイする
相手の心理を読んでプレイすることで、さらに有利に立ち回ることができます。例えば、相手が焦っている場合は、強めのカードを出すことで、相手のミスを誘うことができます。
具体的な戦略としては、以下のようなものがあります。
序盤は様子見
序盤は、手札を多く残しておくことを意識しましょう。手札を多く残しておくことで、後半の勝負所で有利に立ち回ることができます。
中盤は攻勢
中盤は、手札を減らすことに重点を置きましょう。場に出せるカードが出たら、積極的に出すようにしましょう。また、相手の手札を減らすために、縛りを起こすことも有効です。
終盤は勝負所
終盤は、勝負所となります。手札を減らして、まずは大富豪を目指しましょう。また、都落ちを狙って、他のプレイヤーを妨害することも有効です。
イカサマと対策
フォールスシャッフルで手札に2を4枚集める
大富豪は、フォールスシャッフルで手札を操作するイカサマが可能です。
フォールスとは、誤った、本物でない、見せかけの、うわべだけのという意味。つまり嘘のシャッフルです。
親がシャッフルしている時は、目を逸らさないようにしましょう。
よくある質問と回答
- なぜ2のカードが最強なんですか?
-
2が最強の理由に明確な情報がなかったため、当サイトが独自に調査しました。
2を最強のカードとして扱う、中国の「争上游」というトランプゲームが大富豪に似ており、おそらく時代的に見てもこれが大富豪の元になっているかと思われます。
当時の中国のゲームでは2を最強とするゲームが多いのですが、これは元々ヨーロッパで市民革命を象徴させるために「一番弱いカード(A)」を「一番強いカード」とするルールが広まったことがあり、それと同じように、中国でも平民が皇帝に勝てることを表し、「一番弱いカード(2)」を「一番強いカード」にするようになっていったということでしょう。
- 大富豪はどこの国のゲームですか?
-
大富豪の発祥地は日本です。1970年頃に考案されたと言われています。
小谷善行氏(現:東京農工大学教授)が考案されたという噂もありますが、こちらはデマだそうです。
- カード交換の際、大貧民の手札にジョーカーがあれば渡さなければならないのか?
-
渡す必要があります。
地域によっては、渡さなくてよいとしているところもあります。
- 8切りに対して、ジョーカーを出せるか?
-
8を出した時点で時点で場が流れるため、ジョーカーを出すことはできません。
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